金沢大学 医薬保健研究域医学系 機能解剖学分野 機能解剖学分野

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ご挨拶

尾﨑 紀之
金沢大学医薬保健研究域
医学系 機能解剖学分野
教授 尾﨑 紀之

平成21年5月より当研究室を担当させていただいております。

私は、わたくしたちが日常よく経験する「痛み」という感覚のメカニズムを解明することをめざして研究を進めています。 痛みは体に異常があることを私たちに知らせてくれる大切な警告系ですが、必要以上に強い痛みや慢性的な痛みは私たちを苦しめます。

痛みの研究は原因となる損傷や疾患の治療の研究に比べて後回しにされがちですが、患者さんにとっては日常生活を送る上でもっとも深刻な問題であり、また損傷や疾患が治癒した後も慢性的に痛みが続くことがあり、近年は慢性疼痛自体も一つの疾患としてとらえられるようになってきました。さらに、機能性胃腸症や過敏性腸症候群、筋筋膜性疼痛症候群など明らかな病変が見られないにもかかわらず痛みを伴う疾患も増えており、そのメカニズムの解明が急がれています。痛みの基礎的なメカニズムを明らかにし、それに基づいた副作用のない効果的な痛みの治療法を開発したいと考えています。

当教室は金沢大学医学類の学生を対象に肉眼解剖学の教育に携わっております。近年の医学の進歩は診断、治療に必要な解剖学的知識の著しい増大をもたらしました。また、技術の進歩はこれまで予想もしなかった倫理的問題を引き起こしています。私はしっかりとした解剖学教育を行うことで、確かな知識と倫理観をもった学生、医師を育てたいと考えています。教育に力を注ぎ優秀な医師を育てることは、地味ではありますが基礎医学の研究室にとってとても重要な社会貢献のひとつだと考えています。

痛みの神経科学や解剖学・形態学に関心を持たれる方々の教室への参加を期待しています。よろしく御指導、御支援を賜りますようお願いいたします。